浅葱色が愛した嘘
その後、吉乃は宴会の準備があると、部屋を出ていった。
その宴会は長州が行われるという密会でもある。
その宴会が始まるまではまだ時間があった。
ふと、鏡に映った自分の姿が目に入る。
化粧をし、髪は女らしく綺麗に結われ、自分でも見違える程だった。
この姿、沖田さんが見たらなんて言うんだろうな。
ふと、思い浮かんだのは沖田の顔。
昨日の言葉、身体から伝わってきた熱がまだ桔梗から離れない。
胸がぎゅっと締め付けられ、(会いたい)と純粋に願った。