浅葱色が愛した嘘





残されたのは沖田、永倉、藤堂はひたすら無言の空間の中にいた。





『おい、ぱっつぁん何か言えよ。』



『やだよ、俺まだ死にたくねぇよ。

平助が励ましてやれよ。』





お互い命だけは惜しいのか、

どちらが沖田に話かけるか言い合っていた。





『僕、もう戻るから。』




『え、ちょ、総司…待てよ』




永倉は反射的に呼び止めたが



『なに?』



沖田のたった一言に殺意を感じ、


思わず首を横にふる以外できなかった。





『そう。用がないならもういいね。』




沖田はそのまま自室に戻ろうとした時







『待て、総司。』



不意に土方が沖田を呼んだ。


< 83 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop