浅葱色が愛した嘘
残されたのは沖田、永倉、藤堂はひたすら無言の空間の中にいた。
『おい、ぱっつぁん何か言えよ。』
『やだよ、俺まだ死にたくねぇよ。
平助が励ましてやれよ。』
お互い命だけは惜しいのか、
どちらが沖田に話かけるか言い合っていた。
『僕、もう戻るから。』
『え、ちょ、総司…待てよ』
永倉は反射的に呼び止めたが
『なに?』
沖田のたった一言に殺意を感じ、
思わず首を横にふる以外できなかった。
『そう。用がないならもういいね。』
沖田はそのまま自室に戻ろうとした時
、
『待て、総司。』
不意に土方が沖田を呼んだ。