浅葱色が愛した嘘





桔梗に内密な隊務を与え、どんなに頼んでも教えてくれなかった土方。



桔梗と二人の秘密を持つ土方。



沖田にとってそれだけでも気分が悪かった。




『なんですか。

僕は稽古で疲れるんです。
もう戻ります。』





『そんな連れねぇ事いうな。

総司、お前確か明日は非番だよな?』




『それがなにか?』





『よし、俺と原田、永倉、藤堂、とお前で島原に行くぞ




これは副長命令だ。』







たった二日、桔梗の隊務を教えなかっただけでこの様だ。


そろそろ会わせてやってもいいか。




って、明日には戻るんだけどな。


土方は沖田を思っての気遣いだった。


それと同様、このまま沖田の機嫌が悪く、稽古の厳しさが続けば各自に明日には隊士の中で死人が出そうな勢いだったのもある。




あと、理由がもう一つ。


遊女の姿である桔梗に土方自身が興味があったのだ。




その後、土方たちは
無理矢理、沖田を引きずりながら島原に向かったのだ。



< 84 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop