浅葱色が愛した嘘
土方たちが島原に着いた頃には空には月が輝いていた。
確か、昨日、澄朔から届いた文には次の満月に長州の奴らに動きがあると行っていたな。
たった三日だ。
駄目元で澄朔を送り込んでみたが、
正解だったみたいだな。
土方は桔梗がいる美楼屋までくるとそのまま中へと入り、
一緒に来た沖田たちも続いて中に入っていった。
『土方様じゃありんせんか!
今日はどうしたんありんすか?
あら、沖田様もご一緒で。』
遊女たちは土方たちを見るなり黄色い声を発していた。
女好きの土方は遊女を両手に抱え、広間へと向かう。
しかし、土方とは真逆で女に興味がない沖田は遊女たちの声に反応することなく、無表情で後ろを歩いていた。
一緒にきていた原田たちも久しぶりの島原だけの事があって大盛りだ。