浅葱色が愛した嘘







空女は上半身だけ着物の脱いだ。



何人の男にも抱かれている体は

それとは真逆で白く美しかった。



空女は沖田の手を取るとそっと自分の胸に押し当てる。






『沖田はん、抱いておくんなんし。』





その言葉と同時、沖田は拍車がかかったよつに、空女に激しい接吻をした。



『んっ____』




沖田は空女の上半身を愛撫した。


空女は快楽に溺れその身を委ねた。



この女、さっきからうるさい。


少しは黙れねぇのかよ。




しかし沖田には快楽などなかった。

自分の腕で乱れる遊女に何も感じない。



沖田は耳障りな甘く発せられる声を止ませようと、



空女の体をクルリと一回転させ、後ろから口を塞いだ。




『_____んぅぅ!?!?』




そしてそのまま背中を自分の元に寄せた。




『いい加減静かにできないの?


そろそろ、うざいよ?』





沖田の腕は乱暴で優しさがない。

それと同時に声も、瞳も、空女も思う気持ちなんて微塵もないのだと、



そう言っているようだった。






< 89 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop