浅葱色が愛した嘘
『ん?……これは』
不意に土方は桔梗の首筋の一部が赤くなっいる事に気づいた。
桔梗の乱れた髪をそっとかき分けると、そこには少し薄い小さな跡。
誰かに付けられたであろうその跡は、
『沖田さん_______』
桔梗が寝言で呟いた名前によって
誰が付けたのか、土方の中で明らかとなった。
こいつが今日泣いていた理由は
総司と遊女が部屋で行っていた行為を見てしまったから。
桔梗が泣いていた理由の全ては総司って訳か_____。
それに気づいた瞬間、土方の中で何かが変わった。
『桔梗……
俺が守ってやるよ。』
土方は本当の名前である桔梗と呼び、
薄ピンクの頬にそっと接吻をした。