浅葱色が愛した嘘





『ん?……これは』





不意に土方は桔梗の首筋の一部が赤くなっいる事に気づいた。



桔梗の乱れた髪をそっとかき分けると、そこには少し薄い小さな跡。




誰かに付けられたであろうその跡は、







『沖田さん_______』



桔梗が寝言で呟いた名前によって



誰が付けたのか、土方の中で明らかとなった。







こいつが今日泣いていた理由は

総司と遊女が部屋で行っていた行為を見てしまったから。





桔梗が泣いていた理由の全ては総司って訳か_____。



それに気づいた瞬間、土方の中で何かが変わった。





『桔梗……



俺が守ってやるよ。』



土方は本当の名前である桔梗と呼び、



薄ピンクの頬にそっと接吻をした。







< 97 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop