浅葱色が愛した嘘
『こんな早くにどうしたんでありんすか?』
『お前に会いにきた。
今日で島原を出るんだろう?
足逃げ……ではなさそうだが』
!?!?!?
高杉は一体、どこまで気づいているのだろう。
かと言って殺気を放っている訳でもなさそうだった。
『貴方様は不思議なお方だな。
しかし、また会えるでありんしょう。』
桔梗は懐から昨夜、高杉から貰い受けた煙管をそっと返した。
『これはわっちにはもう必要ありんせん。』
そう言い残すと、桔梗は高杉に背中を向け、部屋へと戻っていった。
高杉晋作______。
必ずまた会える。
次会う時は私がお前を殺す時だ。
桔梗はそっと今だけ、復讐心を胸の内にしまいこんだ。