シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
その間、悠季くんは畳の上で正座していた。
悠斗の手当てを優先するあまり、気づかなかった。こんな部屋に悠季くんをあげてしまったことを。
エレベーターもない3階の部屋。6畳と4畳半の部屋はタンスやテーブルでさらに狭くなって、小さな台所、壁は古くシミだらけ、靴を3足も並べればいっぱいになる玄関。空気さえ淀んで見える。
こんな……みすぼらしい部屋。今の私を表しているようで惨めになった。
でもその空間で、悠季くんの瞳は優しく暖かに悠斗を見つめていた。
『悠斗くん、痛い?』
『ううん』
『うん。強い、強い。いい子だね、悠斗くん』
初めて迎える男の人に悠斗は警戒気味だった。私の太ももにくっついて離れない。悠季くんは、お茶ならいいよ、と言ってくれたので私は悠斗を抱いて畳の上に座った。
『早百合さんひとりに背負わせてしまって、ごめんね。本当なら僕も』
『謝らないで。謝るのは私のほう。それに私、後悔してないし、悠斗に関しては苦労だなんて思ってないの。むしろ幸せなの。本当に愛した人の子どもだから……その……』
あ。また告白してしまった。
悠季くんの頬が赤く染まる。私はうつむいた。