シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
『僕だって、嬉しいよ。僕と早百合さんの子がいたなんて』


悠斗のまぶたがゆっくりと閉じ、こくりこくりと頭が揺れる。遊び疲れたのか私の腕の中でお昼寝を始めてしまった。

向かいにいた悠季くんは立ち上がり、私と悠斗の隣に来た。そっと悠斗の顔をのぞき込む。


『かわいいね、悠斗くん』
『うん。親ばかかもしれないけど。悠季くんの子どもだもの、かわいいに決まってる』
『ねえ、今も変わらない?』
『なにを?』
『僕は今も変わらないよ。早百合さんのことが好き』
『私も……好き。悠季くんが好き』


目をつむる。

ちゅ。触れるだけのキス。
甘くて切ない味がした。
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