シンデレラのドレスに祈りを、願いを。
深いキスとともに施される優しい愛撫。悠季くんの長い指がゆっくりと私の肌を滑り降りていく。あのころの悠季くんと比べると余裕のある前戯。きっと他の女の子を抱いてきたんだと思う。

あの頃より上手になった愛撫に少しやきもちをやきながら、私は悠季くんの背中に手を回した。

好き……好き……好き。

なんどもなんども悠季くんと確かめ合う。離れがたくて、夜更けまでずっと肌を重ねていた。



*―*―*

翌朝も快晴だった。海に行きたがる悠斗に急かされ、朝食をすませると私たちは荷物をまとめた。

時折、悠季くんと目か合うと昨夜の出来事が浮かんで恥ずかしさに顔が熱くなる。悠季くんも頬を赤く染め、ふたりでなんとなくうなずき合う。悠斗の目を盗んでキスをしたり、指をからめたり、私はずっと胸を高鳴らせていた。心臓が持たないくらいに。

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