浮気してるくせに平然な彼




「麗美を抱かなかったのは、麗美がそういう事をしたくないと思ってたから。だから抱けなかった。 でも橋本は違うじゃん。陸にそういう事をされてもイイと思ってたって言ったじゃん……それに耐えられるほど、俺は出来た人間じゃない」



 息をする間も無く話す。


 橋本の『それでも――』と何か言いたげな声を遮り、自分の欲望を抑える為に必死で喋る。



「今橋本に何もしないのは、この空気に呑まれて手出すのは違うって思ってるから………だから必死で耐えてる……」


 そうやって”今、手出すのは違う”と。俺自身に言い聞かせる。


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