浮気してるくせに平然な彼





 もし、浮気された立場じゃなかったとしても。麗美から受けた苦しみを知らなかったとしても。自分自身が浮気する立場に回る事は許せない。



「………橋本、俺の手と足縛って。ハンガーに掛けてる制服のネクタイで腕、縛って。多分洗面所にカミソリがあるから、それでネクタイ半分に切って足も縛って」



「でも、堀内くんの制服………」


「そんな事、どうでもイイ」



今はギリギリ理性を保ってるけど、手足でも縛られなきゃ、何かを仕出かしそうで怖かった。



 抱きしめていた腕を緩め、『早く縛って』と俺のお願いに、橋本はゆっくりと頷き立ち上がる。


 そして、ハンガーに掛けていた制服からネクタイを引き抜き、俺の元へと戻ってきた。



「痛くしてイイから。外れないようにして」


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