【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
待ち合わせ場所である駅に向かう。
駅と水族館に行った記憶はあり、多分道順は間違えないだろう。
そんななんの保証もない記憶を頼りに足を進めていけば、無事に駅に辿り着くことができた。
多くの人が行き交う、土曜の駅前。
ヒロの姿を探し、視線を彷徨わせれば、駅の入り口付近にだれかを待っているようなひとりの女の子が立っている。
写真では腰ほどまであった髪が、今はひとつに結われている。
伏せられていても分かる、人の目を引く整った目鼻立ち。
記憶と写真の彼女とすり合わせ、ヒロだと確信した俺は、ヒロに近づいた。
「ヒロ」
俺の声に、スマホに視線を落としていた彼女が顔を上げる。
俺を認めたその目に一筋の光が灯るのを、俺は見逃さなかった。
……よかった。合ってた。
「明希ちゃん」
控えめにはにかみながら俺の名前を呼ぶその声音は、想像していたよりもずっと、穏やかで。
多分、俺に気を許してくれているのだろうと、それだけで分かるようだった。