暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】
こうして見ると陛下と良い、ラディカルメイド長といい、私には気づいていないようだ。
「こちらでございます」
お洒落に装飾を施された、茶色のドアの前に案内され中へ入ると、4人のメイドが事前に待機させられており、にこやかにお出迎えを受けた。
「先ずは身なりを整えなければなりません」
ラディカルメイド長がそう言うと、待機していたメイド達は衣装棚から赤色ベースのフリッとした可愛らしいドレスを取り出した。
「陛下からこのドレスをお預かりいたしましたので、こちらにお着替えしてもらいます」
「あの………………私はこのままでも大丈夫です」
こんな高そうなドレス………………この機会でしか着ることないと思うけど、馬子にも衣装という言葉があるように、私には絶対に似合わない。
正直貴族でも何でもないのに、こんなドレスは着たくないのが本音だが、断ったとしてもメイド長は決して折れてくれない。
「この方にドレスを着せ、身なりを整えさせろ」
「「「「はい」」」」
そんな一言で周りのメイド達は私の腕をガッチリと掴み、着ていた服をあっという間に脱がせていった。
「それも新しい物に替えよう」
「かしこまりました。直ぐに新しい物をここへ」
露わになった下着さえも最終的に脱ぎ取られ、新しい物に取り替えられた。