監禁少女
「あれだけ物があったから、打ち所が悪かったんだ」


「それって、どういう……」


嫌な予感で体から血の気が引いていく。


「千恵美は今も眠ったままだ」


冬夜が冷たい声でそう言った。


眠ったまま!?


あたしは唖然として顔を上げた。


3人とも悔しそうな顔をしている。


「俺は千恵美を支えていたつもりだったのに、なにもできなかった!」


冬夜が苦し気に叫ぶ。


「私たちも同じよ。千恵美の事を助けられなかった」


「千恵美の医療費は想像以上に高額だった。だから、今回の計画を思いついたんだ」


千恵美の父親の言葉にあたしは返す言葉がなかった。
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