俺の嫁になれ～一途な御曹司の強すぎる独占愛～

「うん。今度から天気予報はちゃんとチェックするようにするよ」
背中にスーッと嫌な汗が流れるのを感じながら、ニコッと微笑む。
でも、なぜか彼は私をじっと見た。
「後藤君？どうしたの？」
平静を装いながら問いかけるが、「いえ、何でもありません」と彼は頭を振って自分の席へ行く。
黒崎君の家に泊まったのがバレた……いや、それはない。
すぐさま否定するが、さっきの後藤君の視線が気になった。
それから美樹もやって来て、後藤君と同じやり取りをした。
「昨日は結局寮に帰れなくて、知り合いの家に泊めてもらったの」
「知り合いねえ」
彼女にはすごく不審がられたけど……。
でも、黒崎君のことには一切触れなかった。
昨日の夜彼の家に泊まったことは、私と黒崎君だけの秘密だ。
彼だって変に周囲に騒がれるのは嫌だろう。
午後三時を過ぎると、黒崎君が戻って来た。
たまに目が合っても、彼はいつもと変わらず無表情。
昨日の出来事が私の妄想のように思えてくる。