俺の嫁になれ~一途な御曹司の強すぎる独占愛~
なんだか……眠い。
このまま永遠の眠りについてしまいたい。
しばらくすると、後藤君が戻ってきて私の肩をポンと叩いた。
「桜井さん、帰りますよ」
「……はーい」
ムクッと顔を上げて立ち上がるが、足元がふらつく。
「ほら、桜井さん、靴履きましょうね」
後藤君に甲斐甲斐しく世話を焼かれ、なんとかパンプスを履いた。
「あれ?美樹は?」
キョロキョロ辺りを見回すが、彼女の姿はない。
「もう店を出ましたよ。僕達が最後です」
後藤君がしっかりした声で答える。
「そうなんだ」
ニコッと笑って店を後にするが、もう目を開けているのもダルかった。
「桜井さん、大丈夫ですか?僕、送って行きますよ。家はどこですか?」
後藤君が心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫!大丈夫!まだこんなにクルクル回れるよ」
強がってバレリーナのように踊れば、バランスを崩して転びそうになった。
だが、誰かに身体を支えられる。
「飲み過ぎだろ」
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