俺の嫁になれ～一途な御曹司の強すぎる独占愛～

後藤が桜井に優しく声をかけるが、その目は鋭く光って見えた。
マズイ。
そう思うと同時に身体が動いて彼女の元へ向かう。
「大丈夫！大丈夫！まだこんなにクルクル回れるよ」
そう言って何故か店の前で踊り出して転びそうになる桜井の身体を慌てて支えた。
危なっかしくて見てられない。
歓迎会の始めから彼女のことが気になってずっと見ていた。
最近、桜井の様子が変だったからだ。
今まで煩いくらい俺に話しかけてきたのに、それが突然なくなって業務連絡も付箋でしてくるようになった。
おまけに体調も悪そうで、いつか倒れるんじゃないかと心配で……。
「飲み過ぎだろ」
桜井を注意するが、「少ししか飲んでませんよーだ」とムッとした顔で返してくる。
どこが少しだ。
こいつ、後藤に故意に飲まされたことに気づいていないだろうな。
「酔っ払いはみんなそう言う」
冷淡に言えば、彼女はムキになって否定した。