生意気オオカミの虜
そんなに怒らなくても……
周りはそう思うんだろうなと。
私はただ、なぜか腹が立った。
「 帰る 」
「 …え?」
凛……
私からサッと離れ行ってしまう後ろ姿に、私の手が一歩遅れて伸ばしていた。
ゆっくりとスローに見える凛の進む一歩があまりに悲しく感じた。
そう感じるのは私のせいだから。
「 凛… 」
待ってよ、怒ったの? 傷つけた?
「 羽奈ちゃん… 彼は羽奈ちゃんが好きみたいだね。今は追いかけたら?」
「 太陽さん… 」
「 行きなよ、あの子かわいそうだよ 」
あ……
「 羽奈ちゃん、彼氏かどうかより先に何とかしないとケンカになっちゃうよ 」
愛弓ちゃん……
ほら、と私の背中を押した太陽さん。
見れば周りが明るい。
若いな、青春だね、仲直りして、そんな声に私は後押しされるように私は凛を追って走り出した。