生意気オオカミの虜

「 おい、凛。あんま羽奈に甘えんなよ 」

「 俺のだし 」

「 お前なぁ 羽奈にマジか?まさかからかって…… 」

「 違う!マジじゃなきゃキスなんかするかよっ 」

「 は…… いや、凛、マジでかよ…… 」



頼と凛。

兄と弟は話していた。

何となくわかっていた頼だが、ムキになる凛を見て羽奈に本気だとわかった。

ただ頼も幼馴染みの羽奈を好きで、凛とは好きが違うにしても、どうしていいか困った。



「 なぁ 羽奈は鈍感だぞ 」

「 知ってるよ、だから直球でいってるし 」

「 直球って… 直球すぎるとパニック起こすから優しめにいけよ、相手は羽奈なんだから 」

「 うるせぇなぁ 頼兄に羽奈はやらねーからな!死んでも絶対っ 」

「 あ~ はいはい 」



クスッと口許緩む頼。

幼馴染みの羽奈を本気で思い、本気で気持ちをぶつけている凛を嬉しく思う。

ただ凛の思いに反して羽奈の思いはどうなのか気にはなるが、羽奈なら大丈夫だろうと勝手に安心して凛の肩を組む。



「 頼兄、羽奈に俺以外の男が近寄らないように見てよ 」

「 それは心配ない、大学じゃ俺が羽奈の彼氏って事になってるから 」

「 それは許す、仕方なくな。けど、あの男がなんか怪しい… 美容室で見た奴 」



それは誰だ? 頼が聞いても凛には名前がわからない。

二人が自宅に帰った頃、羽奈のアパート玄関前に一人の男が立っていた。


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