生意気オオカミの虜
あり得ないお誘いの言葉。
相手が太陽さんである以上、勧誘としか思えないのだ。
どんな女だって、必ず見た目にときめく。
ただ私はちょっと違うようだ。
「 すみません太陽さん… 私では無理です、彼女とかあり得ないです 」
「 ……なんでそんな風に言うかなぁ、ちょっと寂しいよ。俺、羽奈ちゃんいいと思ってるよ、だから髪もサービスでやるし、触れたいからね 」
太陽さん、なんてもったいないお言葉。
私なんかをいいだなんて……
「 今は上司と部下、スタッフ同士だから深く知り合えてないから。
俺をちゃんと視野にいれてゆっくり考えてみてよ 」
「 太陽さん… 」
「 これ以上いるとヤバイから帰るよ、おやすみ 」
ヤバイからって… ま、まぁ、ね……
私が女に見えてる証拠だよね?
太陽さんが笑顔で帰っていくと静かに玄関の鍵をかけた。
ふうっと一息。
私はたぶん、太陽さんに告白されたと思う。
でもそれが恋愛の入口とは思えず心は弾んでもその時だけ。
何とも贅沢な瞬間だ。
とは言えやはり、太陽さんと恋だなんて考えてみても違う。
前を向かい心が素直な証拠。
「 私…… イケメンを逃がすバカ女ね 」
ふと凛が頭に過り打ち消す。
私… 嫁に行けるのかな?