大江戸ロミオ&ジュリエット
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その晩、志鶴は御役目を終えた舅の松波 源兵衛から、座敷に呼び出された。
舅に会うのは祝言のとき以来である。

座敷の前で(おとな)いをすると「入れ」と云われて、座敷の中へ膝を進める。

夫の多聞の姿もあった。

多聞の整った顔立ちは母方から受け継いだため、無骨な鬼瓦のような顔立ちの父親とは似ても似つかなかった。
だが、長身の立派な体格とその中身は、母親とは似ても似つかず、父親そのものであった。


此度(こたび)は、嫁入ったばかりのそなたに心が配れず、申し訳ないことをした」

なんと、源兵衛が息子に嫁入った志鶴に頭を下げた。

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