大江戸ロミオ&ジュリエット

「泣くんじゃねぇよ、志鶴。
……()れぇことがあるんだったら、おれに云え」

そう云って、今度はくちびるで志鶴の涙を吸い取った。そのまま、志鶴のぷるっとした愛らしいくちびるに吸いつく。

やっと合わすことのできた志鶴のくちびるへ、多聞は啄ばむように、何度も重ねた。

すると、志鶴の折れそうなほどか細い腕が、多聞の(せな)に巻きついてきた。
そして、いつになく、しがみついてくる。

多聞は志鶴を抱きしめ、さらに、ぎゅうぅっと力を込めた。

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