大江戸ロミオ&ジュリエット
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夕餉(ゆうげ)のあと、自室に戻った志鶴は落ち着かない心持ちのまま、生まれてくる子のための襁褓(むつき)をひたすら縫っていた。

腹に子が宿って四月(よつき)が過ぎたにもかかわらず、一向に前に進まぬ(さま)に、業を煮やした志鶴の父親の佐久間 彦左衛門が、今夜松波の家を訪れているのだ。ともすれば、去状(さりじょう)(離縁状)を持ち帰ることもあろう。


……今宵が、決着をつける日になるやもしれぬ。


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