大江戸ロミオ&ジュリエット

「……尚之介さま、志鶴は幼き頃より、あなたさまをお慕い申し上げてござった」

口を開いた志鶴は、縁側の向こうに立つ島村 尚之介を見た。

「わたくしが、三年限りの約束で『南町』嫁いだ所以(ゆえん)は、離縁したあとは好きにしてよい、と我が父が申したからにてござりまする。
そして三年後……あなたさまと夫婦(めおと)になれるのであらば、と夢見たからにてござりまする」

< 360 / 389 >

この作品をシェア

pagetop