大江戸ロミオ&ジュリエット

「まあっ、なんてことをっ。
わたくしはさようなことは申してませぬっ。
お口をお慎みなさりませっ」

志鶴は多聞を鋭い目で、ぎろり、と睨みながら声を荒げたが、

「……御見苦しいところをお見せして、申し訳ありませぬ」

尚之介にはおずおずと頭を下げた。

「なんで、おめぇが同心に謝るんだよっ」

多聞がいらいらと不機嫌な声になる。

「旦那さまが無作法でござりまするゆえ、わたくしが代わりに謝っておるのではありませぬかっ」

志鶴も尖った声で、さらに声を荒げる。

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