大江戸ロミオ&ジュリエット

「……松波様、奥方様、しからば()れにて御免(つかまつ)る」

尚之介は一礼した。

「おう、御苦労だったな。(はよ)()ぇれ、帰ぇれ」

多聞は至極ぞんざいな口ぶりであったゆえ、志鶴からまた鋭く睨まれた。

「尚之介さま、お気をつけてお帰りなさりませ」

志鶴は指をついて頭を下げた。

そして、尚之介は中庭を横切って帰途についた。

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