その瞳は、嘘をつけない。
「秀くん、つらいでしょ?
…座らない?」

「ああ。こっち。」

手を繋いで、ソファーへと連れて行かれる。

ほんの数歩だけど、
それでも。

秀くんの想いと力強さが、手を通して伝わってくる。
長い足を大きく広げて座る秀くんの間に導かれ座り、後ろから肩を抱かれる。
私は足を胸に引き寄せて丸くなって、秀くんの胸に体を預ける。

「実加、暖かい。」
「猫みたいでしょ?」
「みか、だしな。」
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