その瞳は、嘘をつけない。
「まぁ、それなりにはな。
この街の前にいたところは小さな街で、若い男も少なかったからな…
なんというか、あれはもう…。」
「モテモテ?」
「凄まじい程にな。嬉しいを通り越して恐ろしかったよ。」

秀くんが遠い目をしてる。
ストーキングでもされたのかしら?

「どうせみんな俺のことなんて見ちゃいなかったんだ。
若い警察の人間、それだけだ。」

「そんなこと、ないと思うんだけどな…。」
きっと何人かいたんじゃないかな。秀くんのことを、本気で好きな人も。

「恋愛で失敗した経験があるのはお前だけじゃないってことだ。」

秀くんが、優しく微笑む。

私はまた、頭を前に戻し、
秀くんの胸に頭を預ける。

どうしても、相手の目を見るのが苦手な私には、
この体勢だと落ち着くことができる。

そして私の頭を、優しく引き寄せてくれる秀くん。

「俺は・・・
もっとお前のことを知りたい。
好きなら、そう思って当然だろう?」
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