その瞳は、嘘をつけない。
「お、お待たせしました。」
態度がぎこち無いのは自覚してます。

「立ち話もなんだし。良かったら。」
と言って、手をグラスをを持つように丸くして口元でくいっと動かす。
飲みに行くってことね。
戸惑いと緊張でうまく頭が働かない。
流れ、というか彼の提案に流されていく方が自然な気がする。

「それなら、あっちに何件か居酒屋がありますよ。」
並んで歩くのも恥ずかしくて、一之瀬さんの少し前を歩く。
案内してるんだから、不自然ではないよね。
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