その瞳は、嘘をつけない。
「体調は?」
椅子から立ちあがり、うーんと両腕を上に伸ばしながら尋ねてくる。

「体調は大丈夫です、でも一之瀬さん、椅子じゃ休めなかったんじゃないですか?
私がベッド使っちゃったから・・・。
本当に何も覚えくて、申し訳ございません。」

深く頭を下げる。

「慣れてるから。車の中で仮眠とか。
それよりお前・・・。」

一之瀬さんが言いかけた何かに、頭を上げる。

「あれだけ飲んでおきながら、二日酔いも無しなんてすげーなー。」

呆れ半分、興味半分、という顔を向けられている。

体調は問題ないのですが、
問題はそこではなくて・・・。
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