その瞳は、嘘をつけない。
「酔っ払いの相手は慣れてるから気にするな。」

メールチェックかな?
携帯をいじりながら一之瀬さんが言う。

酔っ払いの相手って、やっぱり女の子?
マンガとかでよく見る、酔っぱらっちゃったみたい~とか言いながらお持ち帰り狙うあれ!?
一之瀬さんモテそうだしな・・・
なんて妄想していると、

「男だよ。職場のやつら。
多いんだよ、飲めないくせに飲みたがるやつ。」

ふと我に返ると、一之瀬さんが携帯から頭を上げていた。

どうして、私が考えてることがわかったんだろう・・・。

いろいろなとこ、というか自分のやってしまったことへの理解が追い付かず、
ぼーっとしてしまう。

「迷惑って程でもなかったよ。
お前ちゃんとここまで自分で歩いてきたし。」
「え、そうなんですか?」
「本当に何も覚えてないのか!?」
「はい・・・居酒屋をでたところくらいまでは覚えてるんですが・・・。」
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