その瞳は、嘘をつけない。
「あ、・・・え?」

おそるおそる振り返ると
また
じぃ・・・と見つめられてて。

恥ずかしくって、目を反らす。

そう何度も何度も無表情で見つめられると、心を読まれている気分になる。

「あぁ、悪い、つい。」
そう言って、手を離した。
ついって・・・なぜ!?

「今日は休みだろ?」
バッグを持ち上げようとかがんだ背中に声をかけられた。
そうです休みです。
こんな状況だし、休みで良かったと心から思う。

「気にならないのか?昨日のこと。」

振り返ると一之瀬さんは、扉枠にもたれかかっていた。
背の高い彼と
低い上にかがんでいる私とでは、
完全に見下ろさせてる状態。

ちょっとした威圧感さえ感じてしまう。
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