無敵の剣
伊東さんが屯所にいないというのは
藤堂さんにとって、平穏らしい



「幸!出掛けようよ!」


「永倉さんが巡察から戻るまでは
外出するなと土方さんに言われてる」


「2人で出掛けたい!!」




少し考えてから

2人にならないと出来ない話もあるかと

出掛けることにした





藤堂さんに手を引かれ歩く





「幸は、もう少し警戒心を持たなきゃ」


「どういう意味です?」


「こんなに簡単について来ちゃダメ!」


「藤堂さんだから来たのに」


「俺が、敵なのは知ってるでしょ?」


「私の護衛さんですよ」



藤堂さんが立ち止まる



「私は、藤堂さんを信じてます!
守ってくれるんでしょ!?」



「本当に… 君は…」




ぎゅっと手が握られる




「藤堂さん!私も藤堂さんを守ります!」


「守るって…」


「私達、仲間ですからね!」







敵だなんて思ってないよ


藤堂さんは、いつも私を励ましてくれてた

明るくて、気遣いが出来て

たくさん笑って、廻りを元気にしてた










「俺は…」





藤堂さんの悲しそうな声を遮るように



「藤堂さん!!みたらし団子作ろう!!」



「え…」











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