無敵の剣
良い機会だから、沖田さんに謝ろう



「入隊試験の時…
失礼な手を使い、すみませんでした」 



右手に対して左手を使ったことを詫びた



「利き手とはいえ、左手をあれだけ使えるってことは、かなり稽古したんでしょう?
私に勝つためには、私が知らない技で攻めるしかないと考えて、その通り勝った
実戦では、失礼も恥もないよ
土方さんに言われなかった?
怪我するな!って」



「い、言われた」



「あの人、優しいからね
きっと…誰が怪我しても自分のせいだと
言うんだよ
私は、違うと思ってる
怪我をするのは、その人の力量です
怪我をしないように、稽古に励む
手を抜く、気を抜く、そういう弱さが
怪我を招く
どんな汚い手を使っても、勝たなければ
怪我せず、生きて帰らなきゃ
私は、ちゃんと自分で責任のある行動を
します!土方さんが勝手に心配してくれるけど、私は怪我しませんよ!」



やはり、強い人だ



「だって、痛いでしょう~?」


子供のように、ネコを抱きしめ
ふるふると体をゆらす




「私も、痛いのは嫌です」


「だよねぇ!!」




「斎藤!腹の調子は、どうだ!?」



「あれ!横になってなくていいのか?」



「総司!無理させんなよ!!」






船で体調不良になった時の話をぶり返され
永倉さんや山南さんが心配する


原田さんや藤堂さんが布団を出したり
額で熱をみたり



あっという間に寝かされた





もう、仮病なんて… 言えない


















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