無敵の剣
憂鬱な朝を迎えた



久しぶりに実家へ帰れると喜ぶ壱

私は
このまま何処かへ消えてしまいたい

そう思うほど、面倒だった




「早めに帰れよ!待ってるからな!!!」




壱と奉公先の屋敷の門で別れた



少し遠回りをして
偶然会った知り合いと蕎麦を食べ



実家へ








玄関の扉を開ける前に
家の中が騒がしいことに気づく


荒らされてる?



気配を消し、静かに庭へ回り込む





父と兄が、お金を集めていた
母と姉が、旅支度?を風呂敷に詰めていた



何事かと、見ていると

姉が私に気がついた



「一!!!」



姉の表情は、怒り


パチーーン



突然の平手打ちに面食らう


「あんた!!人を斬ったんだってね!!
すぐに、ここを出て行きなさい!!!」



あ、それでね

家族の行動の意味を理解した




壱が、イチだと名乗って
一と、書かれるのは、いつものこと




きっと… 壱は、何の咎めもないだろう


正当な理由なしに、刀を振り回すことはない



でも、私は家族の目に、そう映ってない








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