オオカミ弁護士の餌食になりました

「真凛に拒絶反応が出ないのは、俺と君が家族になることが最初から決まっていたから、じゃないか」

 優しく注がれる視線にどきりとした。

 ちっとも論理的な考え方じゃないのに、香坂さんに言われると、そうかもしれない、と納得してしまう。

「怖い……」

「え、なんで」

 私はきっと一生、香坂さんにはかなわない。

 振り返ると、夜空に浮かんだ丸い月に向かってそそり立つ、三十三階建てのレインボータワーが見える。

 思いがけず再会したあの夜も、こうやってビルのそばをふたりで並んで歩いていたな、と思いを馳せた。

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