男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています



クロードに愛され、幸せいっぱいのミシェルなのだが、先日の夜会からぼんやりすることが多くなった。
 
ぼんやりの原因はイヴォンヌだ。厳密にはイヴォンヌのせいではなく、自分とクロードを取り巻く周囲の考えが、ミシェルの心に針のようにチクチク刺さるようだった。

その痛みの感覚は日増しに大きくなっている。
 
クロードに愛されれば愛されるほどに……。





「ミシェルさま、そのようなことは私共の仕事でございます。おやめください」

 
自室の床に這うようにして磨いているミシェルに侍女ふたりがオロオロしながら言葉をかける。


「いいの。綺麗にしてくれているけれど、身体を動かしたくて。気にしないで」
 

ミシェルは手を止めて顔を上げるとにっこりする。


「そう言われましても……」
 

ミシェルに言われても素直に「はい。そうでございますか」とは頷けない侍女だ。
 
その時――。


「まあ! ミシェルさまっ、なにをなさって!?」
 

ミシェルはその声にビクッとなり慌てて立ち上がる。あ然としているイヴォンヌだった。


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