男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「ミシェルさまは最近ふさいでおられるようなのです」

「ふさいでいる?」
 

クロードと会っている時は明るいミシェルだ。無理に笑顔を作っているのかもしれない。そう思うと、ミシェルが心配で胸が痛くなる。そんな気持ちは今まで初めてだった。


「家が恋しいのもあるのかと……」
 

アベルの言葉にクロードは頷く。


「ミシェルと話してみよう。昼食を東屋で一緒にとれるように手配を」
 
クロードはアベルに約束した。



翌日、クロードからの伝言をアベルから受け、ミシェルは東屋へ赴いた。東屋へ到着した時、クロードはまだ来ていなかった。


(お忙しいのに、こうして時間を作ってくれる。私も頑張らなきゃ)
 

ミシェルは席に着かず、東屋の周りに咲く花をその場にしゃがみ込んで愛でていた。


(クロードさまの足を引っ張らないように……私を妻にしてよかったと思ってもらえるように努力をしよう)
 

心の中で誓ったミシェルの肩に後ろからふわりと腕が回る。


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