男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
お茶会当日。

ミシェルはふたりの侍女の付き添いのもと、馬車に乗り込んだ。
 
念入りに選んだドレスはクリーム色で喉元までレースがあしらわれた慎ましやかでいて、初々しい。ミシェルによく似合っており、同じ布で作られた大きなボンネットをかぶっていた。
 
シャプリエ公爵邸までは馬車で三十分ほど。王城と町の間にある緑に囲まれた静かな邸宅だ。
 
今日招待されているのはシャプリエ公爵夫人が選んだ五人。その中にイヴォンヌも入っている。


 
開け放たれた窓から涼しい風が入るお茶会の部屋は邸宅の一階にあった。
 
ミシェルが着いた時、すでに招待客三人が到着しており、その中にイヴォンヌの姿がなかった。
 
初めて会った女性たちは二十代と三十代の既婚者。

それぞれ大人しい女性たちで、夜会に出席していた貴婦人たちとは異なりミシェルを受け入れてくれホッとする。遅れること三十分、イヴォンヌがやって来た。


「遅くなりましてもうしわけありません」
 

イヴォンヌは上品にお辞儀をするも、いつものような華やかな笑顔がない。


(どうしたのだろう……)
 

ミシェルはイヴォンヌの表情が気になった。


「イヴォンヌ、先に始めていましたよ。遅れるなんて珍しいわね?」
 

シャプリエ公爵夫人がにっこり断り、侍女にお茶を淹れるように指示を出す。


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