男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「……はい。そうさせていただきます」

 
ミシェルの返事にクロードは苛立たし気に椅子から立ち上がる。


「私が愛しているのはお前だけだ。よく考えるんだな。迎えに行くまでいろ」
 

クロードは大股で扉に向かい、私室を出て行った。
 
残されたミシェルは扉が閉まると、力を入れていた肩がグッと落ちる。そこへアベルが近づく。


「ミシェルさま、すぐに陛下とお話をしなければいけません」
 

アベル自身、こんなことになるとは思っておらず焦っている。


「……アベル侍従……私はクロードさまの隣にたてる器ではないのですね……」

「そんなことはないですよ。自分を卑下してはいけません。陛下は本気で怒っていません。ミシェルさまのお気持ちを知りたかったのです」
 

今のミシェルにはアベルがなにを言っても聞いていなかった。


(家へ……戻る……頑張ると誓ったばかりなのに……)
 

ミシェルは自分に嫌悪し、力なく椅子から立ち上がった。


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