男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「……クロードさまは私が独占欲を出したから、お怒りになったのね。おじいちゃん、私はお妃にならないわ。ううん、ならないのではなくて、なれないの。クロードさまは迎えに来てくれない……」
 

ミシェルの目から涙が溢れポロポロと頬を伝う。


「きついことを言ったが、お前のためだ。急がずにここで平凡な結婚をしてほしい」
 

ロドルフはハンカチでミシェルの頬を伝う涙を拭いた。

 

部屋に戻ったミシェルは簡素なベッドの端に腰を下ろす。王城のベッドとは違い座り心地のよさはなく、乱暴に座ったお尻に痛みが走る。


「私にはこれが合っている……」
 

祖父の言葉をミシェルは考える。


(イヴォンヌさまは他のお妃をまとめられる器だもの……)
 

ふと自分がこの家とは不釣り合いなドレスを着ていることに気づき、ベッドを立ちクローゼットを開ける。
 
ミシェルは黄緑色の膝丈までのシンプルなドレスに着替えた。

夏に向かってマリアンヌがドレスを衣替えしてくれていたようだ。広がり過ぎるスカートもなく、動きやすい。


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