男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
翌日の早朝、ミシェルは柵の中の鶏にエサをあげていた。後ろで結わかれたピンク色のリボンが揺れる。


「卵ありがとう。昨日も美味しくいただいたわ」
 

ミシェルは鶏たちに感謝をしながら、産み落とされている卵を収穫させてもらう。

そこへ馬の蹄の音が聞こえてきた。


「フランツが戻って来たのね」
 

今日も川へ魚釣りに出かけているフランツだ。

町へ出てちゃんとした仕事をしなさいとロドルフに昨晩言われていた。

今回のことがなければロドルフのあとを継いで侍従見習いから始めていたはずだった。
 
三ヵ月見ない間にフランツは少し身長が伸び、身体もたくましくなったようだ。町でいい仕事が見つかるといい。
 
ミシェルは笑顔で振り返る。


「お帰りなさい! フラ――クロードさまっ!」
 

そこにいたのはフランツではなく、凛々しいクロードだった。


「ミシェル、会いたくて我慢できなかった」
 

まだ一日しか経っていない。


「クロードさまっ!」
 

ミシェルは門に立つクロードに駆けより抱きついた。持っていた籠から卵が飛び出した。


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