男装したら数日でバレて、国王陛下に溺愛されています
「フランツ、今日も陛下の寝室を頼むよ。私は陛下の夕食の注文で料理長に会ってくる」
「わかりました!」
頼んだアベルは出て行った。
居間で窓を拭いていたミシェルはそこを終わらせ、クロードの寝室へ向かう。
出来ることならばクロードの寝室へ入りたくなかった。クロードの香りはミシェルの心臓をドキドキさせる。
昨日一緒に過ごしたせいか、親近感が湧いてしまい、食事中のクロードを侍従としての立場だけではない気持ちで見てしまっている自分がいた。
クロードが不審に思って、ミシェルを見ることはなかったからホッとしている。
重たいカーテンと窓を開けてベッドのリネンを替えようとした時、素晴らしい細工のされたテーブルの上に本が開いたまま伏せられているのが見えて意識がそこへ集中する。
(陛下はどんな本を読んでいるの……?)
本の背表紙にタイトルはない。
ミシェルは気になって、伏せられた本に手を伸ばした。
(本じゃ……ない……)
綺麗な文字で流れるように書かれており、目に入ったのは「ミシェル」。ミシェルはギョッとなって先へと目を滑ら――。
「なにをしている!」
背後からのクロードの凍りそうなほど冷たい声色にミシェルの肩が跳ね、持っていた日記帳が手から離れ、バサッと床に落ちる。
「わかりました!」
頼んだアベルは出て行った。
居間で窓を拭いていたミシェルはそこを終わらせ、クロードの寝室へ向かう。
出来ることならばクロードの寝室へ入りたくなかった。クロードの香りはミシェルの心臓をドキドキさせる。
昨日一緒に過ごしたせいか、親近感が湧いてしまい、食事中のクロードを侍従としての立場だけではない気持ちで見てしまっている自分がいた。
クロードが不審に思って、ミシェルを見ることはなかったからホッとしている。
重たいカーテンと窓を開けてベッドのリネンを替えようとした時、素晴らしい細工のされたテーブルの上に本が開いたまま伏せられているのが見えて意識がそこへ集中する。
(陛下はどんな本を読んでいるの……?)
本の背表紙にタイトルはない。
ミシェルは気になって、伏せられた本に手を伸ばした。
(本じゃ……ない……)
綺麗な文字で流れるように書かれており、目に入ったのは「ミシェル」。ミシェルはギョッとなって先へと目を滑ら――。
「なにをしている!」
背後からのクロードの凍りそうなほど冷たい声色にミシェルの肩が跳ね、持っていた日記帳が手から離れ、バサッと床に落ちる。