溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「見せて」

「……えっ!? だ、だめ!」

咄嗟に両手でスマホを後ろに隠す。

「どうして? いいだろ?」

「とにかくだめ!」

だって私、変な顔していそうだもの。そうだったら見られたくない。

けれど必死に死守しても、男性である佐々木君に敵うわけもなく、一瞬の隙を突かれてスマホを奪われてしまった。

「あっ……」

奪われていくスマホを目で追う。すると彼は写真を見た後、なにやら操作し始めた。

「佐々木君?」

なにをしているの? どんな操作をしているのか見たくても、身長差があり過ぎて画面を覗くことができない。

少ししてスマホを返された。

「はい、ありがとう」

「……なにをしたの?」

受け取りながらも尋ねる。

「俺のスマホに送っただけだよ。疲れた時に癒されるために。……っと、悪い」

タイミングよく彼のピッチが鳴り、すっかり医者の顔に戻った佐々木君は私に背を向けて電話に出た。

「はい。……わかった、すぐ戻る」

そう言うと彼はスマホを切り、申し訳なさそうに私を見る。

「ごめん佐野、仕事に戻らないと」
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