溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
足を進め病院を後にし、最寄り駅へと向かっていく。電車の時刻を確認するとあと五分ほどある。

妙に疲れてしまい、近くのベンチに腰掛けてスマホを操作していく。

会社には佐々木君の写真だけ見せればいいから、写真を切り取って佐々木君だけが写ったものを自分のパソコン宛のメールに送った。

そのまま元の写真データは削除しようと思ったんだけど、手が止まる。

高校生の時はふたりで写真を撮る機会なんて一度もなかった。一緒に写っているのはクラスの集合写真だけ。

ジッと眺めていると、彼の隣で緊張して写っている自分の姿に思わず笑ってしまった。

「アハハッ。……たしかにこれは癒されるかも」

削除することなく、フォルダへ写真を移動した。

私も仕事で疲れた時にこの写真を見よう。

ちょうどホームに電車が到着し、私は家路に着いた。



次の日、佐々木君の写真をみんなに見せると反対する人はおらず、すぐさま佐々木君の街角イケメンコーナーへの起用が決定した。
< 118 / 279 >

この作品をシェア

pagetop