溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「彩音に来てもらおう。彩音だって家に泊まれた方が、いいだろうし」

「でも……環奈はそれでいいの?」

私の真意を探るように見つめるおばあちゃんを安心させるように、笑顔で言った。

「もちろんだよ。彩音がいてくれたら私も安心できるし。……それにいい加減、もうちゃんとしないとだよね」

もうなにもかも受け入れたくない子供じゃないんだ。二十八歳になる大人だもの。いつまでも逃げてばかりいられないと思うから。

「彩音だけじゃなくて、お父さんたちも来るの?」

「えぇ、後から来るっていっていたわ。その時、彩音ちゃんも一緒に帰るって」

「そっか。じゃあ部屋の整理をしないとね。彩音の部屋を作らないと」

「……そうね」

私につられるように笑うおばあちゃんだけれど、その表情は硬い。私が無理しているってバレバレなのかもしれない。

それでも強がるしかない。向こうから出向いてくれるんだもの。ここで向き合わないと、このまま逃げてばかりになりそうだから。

「今日の夜ご飯は私が作るね。おばあちゃんはゆっくりしていて」

「ありがとう、楽しみだわ」
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