溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
けれどやっぱり言った後、ちょっぴり後悔に襲われる。佐々木君がずっとなにも言わないからかもしれない。

恐る恐る目を開けると、そこには意外な彼の姿が。

「え……佐々木君?」

びっくりして目を瞬かせてしまう。だって佐々木君、顔を真っ赤にさせていたから。

すると佐々木君はハッとし、私に顔を見られないよう腕で隠した。でも隠し切れず、彼の赤い顔が見える。次第に耳まで赤くなっていった。

どうして佐々木君が赤面するの? 引いたんじゃないの? こんな話を聞いて。

目を白黒させる私に、佐々木君はか細い声で言った。

「今のは佐野が悪いから」

「え……私?」

思わず自分自身を指差してしまう。

「あぁ。……可愛いことを言う佐野が悪い」

「なっ……に、言ってっ」

『可愛い』と言われ、私まで恥ずかしくなる。すると佐々木君は恨めしそうな目で私を見る。

「なに? あんなこと言って俺が引くとでも思った? ……悪いけど逆だから。嬉しいに決まってるじゃん。好きな子にヤキモチ妬かれたら」

『……じゃん』って、なにそれ。拗ねた子度みたいな口ぶりに不覚にもキュンと鳴る。いつもの佐々木君らしくなから。
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