溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
「水族館、楽しかったな」

「うん。癒されたね」

水族館を後にした時間は十六時半過ぎ。ゆっくりと歩きながら駐車場へと向かっていく。

「食事して帰ろうか」

「……うん」

そろそろ一日が終わりを迎えようとしている。食事を終えたら、いよいよ告白するんだと思うと緊張がはしる。

だからと言って言いたくないって気持ちはまったくない。むしろ伝えたいから。

今日だけで佐々木君のことをまた好きになった。

きっとこの先、もっともっと好きになっていくと思う。その度に好きって気持ちを伝えていきたい。

そんなことを考えながら歩いていると、隣を歩く彼がポツリと呟いた。

「なんか夢みたいだな」

「えっ?」

「ずっと夢だったんだ。休日の日に、佐野とデートするの。……それが十年越しにやっと叶ったからさ。正直まだ夢心地」

「佐々木君……」

彼の想いに胸が熱くなる。

「想像していたんだ、映画館デートや遊園地デート、それに水族館デートしたら、どんなに楽しいんだろうって。その夢が今日一日でたくさん叶って嬉しいよ」

なに、それ。嬉しいだなんて――。

思わず足が止まる。
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