溺愛診察室~一途な外科医に甘く迫られています~
嬉しいのは私の方だよ。それに私だって今日が楽しみで仕方なかった。今日のために洋服からバッグ、アクセサリーまで全部一式新調してしまうほどに。

「佐野?」

突然足を止めた私に気づき、彼は戻ってくると、不思議そうに私を見つめてきた。

嬉しい、楽しいって思っているのは佐々木君だけじゃないってわかってほしい。

「夢じゃないよ?」

「――え?」

驚く彼に自分の想いを伝えていく。

「またふたりで出掛けよう。……私も今日、ドキドキしたけどすごく楽しかった。もっと佐々木君と色々なところに出掛けたい」

「佐野……」

そしてこれから先の人生も、ずっとそばにいたい。

驚く彼を目の前に、大きく深呼吸をする。

「あのね、佐々木君」

伝えるんだ、彼が私に何度も伝えてくれたように、好きって気持ちを全力で。

「私……」

バクバクと心臓が鳴る中、勇気を振り絞った時、急に辺りは騒がしくなる。

「キャーだれか!」

「大丈夫ですか!?」

叫び声と助けを求める声に遮られてしまった。
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